エギングを始めたばかりの方も、ステップアップしたい経験者も、「シャクリ方」について悩んだことがあるのではないでしょうか。エギングは、エギをいかに魅力的に動かせるかで釣果が大きく変わる釣りです。
この記事では、「エギング修行ノート」として、基本となる4つのシャクリ方を中心に、そのやり方から状況別の使い分け、釣果アップに繋がるコツまで、徹底的に解説していきます!
シャクリの基本!なぜ「シャクる」必要があるのか?
そもそも、なぜエギを「シャクる」必要があるのでしょうか?それは、エギが自ら動かないルアーだからです。釣り人がロッド操作でアクションを加えることで、初めてエギは生命感あふれる動きをし、イカにアピールできます。
超重要:イカがエギを抱くのは「フォール中」!
イカがエギに抱きつくのは、シャクってエギが動いている最中ではなく、その後のエギが沈んでいく「フォール中」がほとんどです。 シャクリの目的は、イカにエギを気づかせ、興味を引かせること。そして、その後のフォールで「食わせの間」を作ることにあるのです。
また、シャクる際には「糸フケ(ラインスラック)」を意図的に作り出すことが極めて重要です。 糸フケがあることで、エギは左右にキレのある「ダートアクション」をします。 逆に糸が張りすぎていると、エギはただ真っ直ぐ手前に寄ってくるだけで、イカへのアピール力が半減してしまいます。
【まずはコレ!】マスターすべき4大シャクリ方
エギングには様々なシャクリ方が存在しますが、まずは以下の4種類を覚えれば、ほとんどの状況に対応できます。
1. ワンピッチジャーク
どんなアクション?
「ロッドを1回シャクる間に、リールのハンドルを1回巻く」という、エギングで最も基本となるアクションです。 この動作をリズミカルに繰り返すことで、エギを左右に連続ダートさせ、広範囲のイカにアピールします。
やり方とコツ
シャクった後、ロッドティップを元の位置まですばやく戻し、意図的に「糸フケ」を作ることが最大のポイントです。 リールのハンドルを意識して回すのではなく、ロッドを動かすことで自然にハンドルが回るくらいのイメージを持つと、スムーズなアクションになります。
有効な状況
- 春イカ狙い:2〜5回ほどシャクって、長めのフォールでじっくり見せる。
- 秋イカ狙い:5〜10回と多めにシャクり、高活性なイカに手早くアピールする。
2. ハイピッチショートジャーク
どんなアクション?
一見するとワンピッチジャークを素早くしたものに見えますが、こちらは「糸フケをほとんど出さない」のが特徴です。 小さく素早い連続シャクリで、エビや小魚がパニックになって逃げ惑うような動きを演出し、イカの捕食スイッチを強制的にONにします。
やり方とコツ
リールを巻き続けながら、ロッドの振り幅を小さく(時計の8時〜10時くらいの角度)して、連続で素早くシャクります。 1回のシャクリでハンドルを1回転させるのが基本です。 糸が張った状態をキープするため、イカのアタリが手元に伝わりやすいというメリットもあります。
有効な状況
- 秋の数釣りシーズンで、高活性な小型イカを手早く探る時。
- 風が強く、糸フケをコントロールしにくい時。
- 水深のないシャローエリアを横方向に探る時。
3. スラックジャーク
どんなアクション?
PEラインの特性を最大限に活かした、現代エギングを象徴するアクションです。意図的に大きく「糸フケ(スラック)」を作り、そのたるんだラインを弾くようにシャクることで、エギを移動させすぎずに、その場でネチネチと大きく横っ飛びさせることができます。
やり方とコツ
リールはほとんど巻かず、ロッドを下げて作った糸フケを、ロッドの反発力だけを使って「パンッ!」と弾くイメージです。 力はほとんど要らないため、女性や非力な方でもマスターしやすいテクニックです。 アタリはラインの動きで取ることが多く、たるんだラインが「ピタッ」と止まったり、引き込まれたりするのを見逃さないようにします。
有効な状況
- 春の大型イカ狙い。移動距離を抑えて、同じポイントでじっくりアピールしたい時。
- 海底付近や、藻場・根周りを丁寧に探りたい時。
- 回遊待ちで、同じレンジ(水深)を長時間キープしたい時。
4. 縦ジャーク
どんなアクション?
その名の通り、エギを横ではなく「縦方向」に大きく跳ね上げるためのシャクリ方です。 糸フケをなくした状態から、ロッドを真上に勢いよく振り上げ、エギを上方へ大きくリフトさせます。
やり方とコツ
ダートアクションを嫌い、縦方向の動きにしか反応しないイカが稀にいます。他のシャクリで反応がない時に試すと、状況を打破できることがあります。 より大きな跳ね上げ距離が欲しい場合は、両手でロッドを操作することもあります。
有効な状況
- 横方向のダートアクションにスレたイカを狙う時。
- ボトムから一気に中層までエギを浮き上がらせてアピールしたい時。
【応用編】釣果を伸ばす+αのアクション
基本の4種類をマスターしたら、さらに引き出しを増やしてみましょう。
- 多段シャクリ(2段シャクリ):「シャク、シャクッ」と2回、3回と連続でシャクることで、エギをより高く跳ね上げます。 フォール時間を長く取れるため、春イカにじっくり見せたい時に有効です。
- 巻きジャクリ:リールを巻きながらジャークするアクション。 イカが追尾してきた時に、イレギュラーな動きでバイトに持ち込むことができます。
- 放置(ロングステイ):アクション後、あえてエギを海底に長時間放置するテクニック。 特に低活性時に有効で、忘れた頃に竿先を持っていくアタリが出ることがあります。
シャクリ方を最適化する3つのポイント
1. 季節による使い分け
春:産卵を控えた大型イカは、動きが鈍く警戒心も強いです。 派手なアクションよりも、スラックジャークなどで移動距離を抑えた、スローで丁寧な誘いを心がけましょう。
秋:好奇心旺盛な新子(小型イカ)がターゲット。 ワンピッチジャークやハイピッチショートジャークなど、キレのある大きな動きで、遠くのイカにもエギの存在を気づかせることを意識しましょう。
2. タックルとの相性
ロッドの長さや硬さによって、得意なシャクリは変わってきます。
- 硬いロッド:パワーを伝えやすく、キレのある鋭いダートを出しやすい。
- 柔らかいロッド:ロッドがしなることで、ナチュラルで移動距離を抑えたアクションが得意。春の大型狙いに向いています。
3. ドラグ設定
強くシャクった時に「ジッ」と少しだけラインが滑り出るくらいに、ドラグを少し緩めに設定しておくのが基本です。 これにより、イカの身切れを防ぎ、エギにもナチュラルな動きを与えやすくなります。
まとめ:状況に合わせて引き出しを使い分けよう!
今回は、エギングにおける様々なシャクリ方をご紹介しました。
一番大切なのは、1つのシャクリ方に固執せず、その日の状況やイカの反応を見ながら、色々なアクションを試してみることです。
「今日はスラックジャークへの反応が良いな」「速い動きじゃないと追ってこないぞ」など、フィールドで試行錯誤することこそが、エギング上達への一番の近道です。
この記事を参考に、あなただけのエースアクションを見つけて、ぜひ「エギング修行ノート」に釣果を刻んでください!
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