またボウズだった…でも釣りがやめられない理由

釣りエッセイ
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またボウズだった…でも釣りがやめられない理由

釣りに行く前は、毎回ワクワクしてる

潮も悪い、風も怪しい、天気も「終日くもり時々本降り」みたいな予報。
それでも前日の夜には、なぜかワクワクしてる自分がいるんですよね。

「もしかしたら、いるかもしれない」
「誰も行かないこの日こそ、実は穴場かもしれない」
「干潮直後のゴロタ場で、ギリギリ居残ってるアオリとかいたりして…」

――って、結局行く。

道具積んでる途中で、うっすら「やめときゃ良かったかな」と思う時もあるけど、もう車は発進してます。

結果はボウズ。でも帰り道にモヤモヤ

あれだけウキウキしてたのに、いざ現場では…異常なし。

しゃくっても、しゃくっても無。
風は出てくるし、カラーチェンジしても雰囲気ゼロ。
「今日って、潮だけじゃなくて魚のやる気もゼロじゃない?」とか言い訳しながら、30分おきに期待値をリセットするけど…ボウズ。

で、帰りの車内。無音。

エンジン音だけが妙に響く中、頭の中では“今日一日”のリプレイが流れ始める。
「アソコ投げておけばよかったかな…」
「シャクリのリズム、あれじゃ食わないか…」
「そもそも今日、来る意味あった?」とか。

いや、それなのに!

家に着くと、なぜかYouTube開いて「エギング 春 アオリ 爆釣」って検索してるんです。
翌日の仕事の前に、“ロッド 比較”でAmazonをウロウロ。
気づいたらメルカリでメーカーの非売品カタログ(送料込み¥300)を買ってる。なぜ。

たぶん、悔しさと次への期待がごっちゃになった結果です。
ある意味、一番熱いのはこの「釣れなかった日の夜」かもしれない。

本当に釣果だけが目的だったのかな?

車の中でため息つきながら、「何やってんだろうな〜」とか思ってたくせに、
ふと考えると、現場ではけっこう楽しかった。

風の音、潮の匂い、シャクる感覚。
アタリがなくても、何かしらの“期待感”はずっとあって、
「次の1投で出るかも」って希望を持ち続けてる時間。

冷静に振り返ると、釣れてなくてもあの時間はけっこう貴重だった気がする。
集中してるようで、でも自然に身を委ねてるような、不思議な感覚。

それに、ボウズの日って、変な小魚の群れ見たり、
「今のイカだったんじゃね!?」っていう“幻のジェット噴射”を見た気がしたり。
(だいたい海藻です)

そんな釣れない日ならではのネタも、実はあとから思い出すとちょっと好きだったりする。

それでもまた行きたくなる不思議

「もうしばらく行かんでもいいな」
そう思ったはずなのに、翌日の昼休みにはもう潮見表を開いてる。

あのボウズの日から24時間も経ってないのに、
「次の大潮…満潮が21時前か…」なんて言いながら、頭の中はすでに次の釣行プランを立ててる。

スマホにはYouTubeの“おすすめ”がどんどんエギング動画を出してきて、
1本見たらもう沼。「あの人のシャクリ、やっぱ上手いな〜」とか言いながら夜更かし。

さらにフリマアプリでは、前から気になってたエギの中古が“いい感じの価格”で出てて、
「これは巡り合わせやな」ってポチる。

…え?
あんなに凹んでたのに?
なんで?

いや、たぶんこれ、釣れなかったことがむしろ火をつけてる。

リベンジしたい。納得したい。次は絶対釣れる気がする。
釣れたらすべて報われる。釣れなかった自分を超えたい。
そう思ってしまうから、また行きたくなる。

もうこれは完全に、恋。

片思いの相手(=アオリイカ)が、なかなか振り向いてくれないのに、
ちょっとだけ目が合った気がして、舞い上がってる中学生状態。

釣りとの“ちょうどいい距離”を探して

こうしてまた、ボウズ→反省→再燃…を繰り返しているうちに、
ふと「これ、生活とのバランス取れてるのか?」って思うことがある。

睡眠不足でフラフラになりながら朝イチに立ってたり、
「今日は釣れなさそう」ってわかってるのに、無理やり理由つけて出かけてたり。
あれ…これもう、趣味って言えるんか?

でもやっぱり、やめたいわけじゃない。
むしろ、長く付き合いたいと思ってるからこそ、ちょっと考えてる。

無理しない。行かない日も楽しむ。釣れなくても責めない。
そして釣れたら、思いっきりニヤける。それでいいかもなって。

最近は「行かない日も釣りっぽいこと」をする時間が増えてきた。
ロッドを拭いたり、ブログを書いたり、YouTubeで上手い人の動画を研究したり。
こういうのも含めて、釣りの楽しみ方なんだろうな。

つまり、釣りとは――
行くことだけじゃなくて、「どう付き合うか」も楽しめる趣味なんだと思う。

結びの言葉

釣れた日も、釣れなかった日も、たぶん全部ひっくるめて「釣りの楽しさ」なんでしょうね。
そして今日もまた、潮見表とにらめっこしてる自分がいます――
もうこれは、一生うまく付き合っていくしかなさそうです。

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